英会話 NEO

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recitation contest

GW連休も明け、学生さんたちはここから運動会、中間テスト、中学修学旅行と学校行事が忙しそうです。とある中学では毎年恒例の英語暗唱大会が来月あり、出場希望の子たちがそれぞれ原稿を持ち込んできました。

原稿をこちらが英語で抑揚をつけて読み、その音声を録音したデータを渡して、それを学生さんは真似て自宅で練習してもらいます。今回3年生の原稿を見て「うっっ!」ときました。題名はA mother’s lullabyです。

太平洋戦争末期の広島で原爆投下後に亡くなる人々の様子を、簡素な英語で書いている原稿です。惨事であったであろうことをその場に佇む樹がずっと見ており、その樹の視点を通して書かれています。それも幼い姉弟のお話しです。が、なんせお話しの最後がほっこりするのでもなく、強烈に悲しい(原稿はこの一番下にあります)。

読んで涙がでてしまいましたが、読んだDaveも思わずThis IS really sad.と言っています。これを中学生に暗唱させるの?審査員はこれを延々と聞くの?と、何とも言い難い気持ちが沸々と湧いてしまいました。誰だ、原稿の選定をしているのは。ムカムカしていたら、それを小耳に挟んだJulesが「これ、知ってるわ。自分が公立中学で教えてた時の教科書に載ってたモノで、かなり英語の先生の間で人気があるんだよねぇ。よくスピーチの題材で選ばれてたよ。It's depressing.」お涙頂戴を通り越してまさにdepressingです。気になってネットで調べたところ白血病になった佐々木禎子さんの話も選ばれていました。なんなのでしょうこれを選ぶ日本人の感性は。

よくよく考えると、英語圏であればこの類の暗唱コンテストがあるならば内容は有名な詩の暗唱であったりします。ただ、日本語の詩・俳句や漢詩だと漢字圏のせいもあって、どの詩も短すぎて暗唱コンテストにならないかもしれません。

因みに私が好きなのはこれ。山頭火の「分け入っても分け入っても青い山」です。決して日本を代表するような、教養のある句ではありません。山登りに行くたびによく頭の中をぐるぐる回っていますが、心の中では早ぅ頂上につきたい、と思っています。